シカが増えすぎた日本の森は、シカの生息密度が高くなるにしたがって急速に劣化していきます。この数々の写真は、過去10年ほどの間に全国各地で見た景観です。どの森も地面から2mくらいの高さまで、緑が消えています。その空間に夜間、シカが現れて植生を食べてしまったのです。
林床の土は流れ出して、低いところにたまり、あるいは渓流に流れ込み、川や湖を埋めてしまいます。豪雨が来れば土や石が麓の街に土石流となって押し寄せる可能性さえあります。登山道でこうした森を見かけたら、そこにはシカが高密度で生息しているかもしれないと考えてみてください。
狼と森の研究所
東京都多摩市連光寺2-17-12
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