■オオカミのために話そう
はるか昔、ネイティヴ・アメリカンの部族オネイダの先祖が移り住んだところは素晴らしい土地でした。しかしそこにはすでに狼の一族が住んでいました。
ひとつの土地にオネイダ族と狼族、ともに住むには狭すぎます。長老たちの話し合いの結果、狼族を全滅させることに決まりかけました。
そのときひとりの若者が立ち上がり、皆に問いかけました。
「私たちは、そんな人間になりたいのか?」
「誰かオオカミのために話す人はいないのか?」
狼は自然そのもの。彼らは自分たちの行動を見直し、部族にとって大事なことを決める話し合いの場では必ず、こう問いかけることにしました。
Who speaks for Wolf?
今日は誰が、狼のために話す?
人間ではないものたちを顧みることが自分たちの暮らしをより良きものにすると彼らは気づいたのでした。