参考書籍

オオカミと生態系、オオカミと森、自然保護との関係などに関わる書籍をご紹介します。

絶滅したオオカミの謎を探る―復活への序章

本書はかつて日本列島に生息し、明治時代に絶滅したオオカミの本当の姿を明らかにしようとしています。第一部はオオカミに対する偏見、心の中に染みついたイメージはどこからくるのか、第二部はオオカミの実際の姿を理解するため、姿かたちだけでなく行動様式と生態系内での役割を知ろうとしています。そして第三部でその理解に至る生物学、生態学の歴史を欧米と日本の生物学・生態学の歴史の比較としてとらえます。第四部は過去に記録された日本人とオオカミの不幸な事故について検証し、第五部では日本列島にどのくらいのオオカミが生息できるのかを推定しました。そしてオオカミがいなくなった日本の森に何が起きたのかを検証し、オオカミの役割について解き明かしています。
オオカミ不在の生態系が引き起こす社会問題を入口に、オオカミと生態系を考えていくと、現在起きているシカ問題をオオカミ問題としてとらえたことで、オオカミの生態系での役割、人間との関わり、社会の中の位置づけ、歴史、おとぎ話や伝承の中での姿などなど様々な側面が見えてきます。

ウルフ・ウォーズ   オオカミはこうしてイエローストーンに復活した

 オオカミが戻った! 1995年早春、カナダで捕獲された2群、計14頭がイエローストーン国立公園に再導入されたのだ。かつて有害視されていたオオカミは政府の撲滅政策により絶滅寸前となり、1926年には公園内最後の2頭が死んで生態系のバランスが崩壊した。しかし2013年時点で、公園内だけでも10群95頭が生息すると目されている。

 自然保護団体の北部ロッキー代表としてこの前例のない《オオカミ再導入》の挑戦に参加し、成功の立役者となったのが著者であり、20年にわたるオオカミ復活プロジェクトの内幕をつぶさに物語る迫真のドキュメントが本書である。

 オオカミをめぐる戦争の相手は動物ではなく、人間だった。各州選出の連邦議員、畜産業者、関連機関、自然保護団体など、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、利害がぶつかり合った。オオカミ補償基金をはじめとする数々の創意工夫や持ち前の献身、努力、粘りによってこのもつれた糸をほぐしてゆく過程を、著者は時にユーモアを交えながら子細に語る。ここにあるのは、自然保護関連の数多くの賞を受賞した著者による「生物をめぐる政治」の生々しい記録であり、人間ドラマである。

オオカミ: 迫害から復権へ

人間が歴史的にオオカミに投影してきたものとは何か? 最新の研究に基づいた生態学的側面から文化史的側面までを幅広く紹介。さまざまな偏見を取り払い、オオカミへの理解が深まる。

オオカミを、学名である「カニス・ルプス」という種として見ると、人間がその撲滅に着手するまでは、ホモ・サピエンス以外では世界で最も広く分布していた野生(非家畜化)の陸生哺乳類だった。ゆえにオオカミの営みは、人間の社会や文化と広範囲で交差するようになった。人はオオカミをいかに恐れ、いかに殺し、そればかりでなくいかに愛したか。これから見ていくのは、その道のりである。(「はじめに」より) 

野生動物のなかでもオオカミはとりわけ、人間が抱くイメージによって負のレッテルを貼られ、苦難の道を歩んできた。人間は歴史的にオオカミに何を見てきたのか―本書では、生物学的側面から歴史・文化的側面、そして近年におけるオオカミ復活の兆しまで幅広く紹介しながら、さまざまな偏見を取り払い、オオカミ本来の姿を見つめ直す。

大開拓時代を経て、オオカミは一時絶滅の危機にさらされたが、20世紀後半になると、オオカミをふたたび野生に戻そうとする試みが始まり、イエローストーン国立公園の例をはじめ、さまざまな試行錯誤が紹介される。


オオカミが日本を救う!

ニホンオオカミ絶滅の実態とそれによる自然破壊を詳述し、真のエコロジーに立脚しつつオオカミ再導入に対する全ての疑問・誤解に答える。頂点捕食者の復活を全国民に訴える渾身の全18章! 

 

日本の自然生態系の荒廃が、北は北海道から南は屋久島まで深刻だ。主たる原因はニホンジカの激増である。シカは多くの植物を食べつくすまで増え続ける。下草ばかりか原生樹や植樹を食い荒らし、自然界に異変をもたらすのだ。日光ではシラネアオイやニッコウキスゲが危機に瀕し、山地ではライチョウや小鳥、小動物も激減、さらには各地で裸地化や土砂流出が発生し、まさに国荒れなんとすである。こうした現状に警鐘を鳴らし、絶滅した頂点捕食者オオカミを再導入すべきだとしたのが07年刊の『オオカミを放つ』(丸山他編著)であり、大反響を呼んだ。

本書はその第二弾である。オオカミの生態や捕食効果、明治政府による根絶の過程を詳述し、さらには前著刊行後に寄せられた全ての疑問・反論──「オオカミは人や家畜を襲うのではないか」「日本のは固有種だったのでは?」「マングース導入の失敗をどう考えるか」「導入候補地はどこなのか、そもそもあるのか」等々に対し、最新の科学的調査や真のエコロジーに基づいて丁寧に答えていく。偏見にまみれた識者・行政の対応に接しながらも、論理的思考を信じて全国民に頂点捕食者の復活を訴える編著者の思いは熱く、かつ深い。渾身、畢生の全18章! 

オオカミを放つ

かつて日本の森にはオオカミがすみ、シカやイノシシを捕食して

いた。しかし1905年、奈良県吉野山中で確認されたのを最後に絶滅したとされる。以来1世紀、天敵不在となったシカは爆発的に増え、森林や田畑の被害の声が日本各地で絶えない。また奥日光ではニッコウキスゲやシラネアオイが危機に瀕し、尾瀬でもミズバショウが食害にあっているという。

2005年11月、野生生物保護学会でオオカミ復活に向けて「日本のオオカミ絶滅百年シンポ」が開かれ、日本オオカミ協会に集う第一線研究者から若手フィールドワーカーまでが最新の研究・調査を発表した。オオカミ不在下でのシカによる森林生態系への影響、オオカミの食性、オオカミと人との共存、の三分野をめぐるその成果を元に広く一般向けに書き下ろされた本書は、「オオカミは人を襲わな

いか」「在来種を食い尽くすことはないか」等の不安・疑問にも丁寧に答えつつ、<オオカミの復活>を訴える。

日本の森林生態系の未来を見すえ、オオカミ復活に賛成の人にも反対の人にも送る問題提起の書。

オオカミと森の教科書

目次 

第1章

オオカミはどうして悪者なの?

第2章

オオカミって、本当はこんな生き物です

第3章

世界のオオカミ絶滅から復活へ

第4章

オオカミのいない森

第5章

オオカミは生態系の守り神

第6章

オオカミよ、日本の森に還れ!